教えて! アルクェイド先生
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27: ◆SbXzuGhlwpak[sage]
2021/09/27(月) 19:25:22.70 ID:FpkFq5Eu0
※ ※ ※



「――という事があったんですよ」

「それはそれは……ご愁傷さまでした」

「いや〜、授業が思っていた以上に楽しくってテンションがつい上がっちゃって」

 昼休みの茶道室での事。
 俺の説明を聞き頬を引きつらせている先輩の横で、自分が何をしでかしたか自覚が足りないアシスタントティーチャーがいる。

 俺もメガネ、先輩もメガネ、アル美先生もメガネという“磨伸映一郎のアンソロかな?”という空間を用意するのはそれなりの苦労があった。

 急いでアルクェイドをとっ捕まえて事情を問いただしたいものの、相手はこの学校で渦中にいる人物。
 うかつに接触して「“どうしたの志貴?”」なんて気安い態度を取られれば、哀れ遠野志貴は非業の死を遂げる。

 学校関係者に注目されずにアルクェイドと接触を取り、人目のつかない所に誘導してくれる人物。
 そんな頼りになる人、この学校どころか世界中に一人しかいなかった。

「休み時間に遠野くんが息を切らして走り込んで来て、何事かと思いきや……人間社会にここまでガッツリ関わるなんて」

「なにさ〜、みーんなわたしの授業を喜んでくれてるっていうのに」

 こめかみを抑える先輩に、アルクェイドは口を突き出してブーたれる。

――そう、問題はそこである。

 このアル美先生によって迷惑をこうむっているのは、今のところ俺だけなのである。
 これから三年の授業にも顔を出すなら先輩も被害を受けるだろうけど、基本的にうまくやっている以上頭ごなしに非難できない。
 まあ授業中の俺への態度は断固として止めさせるつもりだが。

「しかしアシスタントティーチャーですか。それは確か大学生がバイトでする事が多いと聞きましたが……そこのところはどう設定したのですか?」

「近くに留学生の多い大学があったから、エチオピアからそこに留学している事にしたよ。
 長いとボロが出て二人に迷惑かけるかもしれないから、期間は週二回で一ヵ月の短期アルバイト。
 文書の方もばっちり!」

「おま……っ」

 元気よく文書偽造したと言い張るのに突っ込もうとしたが、先輩が静かに目を逸らしたので止めておく。
 うん、先輩も学校に潜入するために色々やらかしたようだ。


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