100日後に死ぬ彼女
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42: ◆QlCglYLW8I[saga]
2021/09/25(土) 22:23:19.56 ID:rdad/mqRO
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「何ニヤニヤしてるんだよ」

「ううん、俊太郎と会った時のことをね」

俊太郎の顔が、少し赤くなった。

「……そうか」

「俊太郎はあたしの恩人なんだからさ。ああやって助けられる勇気のある人なんてほとんどいないんだから、もっと自信持ちなよ」

「そう、だな……って、あ」

俊太郎が何かに気づいて顔を上げた。店の方から、がっしりした体格の男の人が手を振ってやってきている。半袖のワイシャツに、スラックスという姿だ。

「仁さん!」

「よう。やっぱ来てたか」

結構親しげな感じだ。俊太郎の知り合いかな?

「そりゃズワイガニ、しかもキウイですから。今日はお仕事なんですか?」

「ん……まあ、な。嫁と娘はぶーたれてたが」

「出来はどうでした?」

「旨かったよ。93点と家元が言ってたが、期待にそぐわぬ味だったね。……そっちは彼女さんか?」

「ええ」

あたしは頭を下げた。俊太郎の知り合いかな?

「あたし、木ノ内由梨花っていいます」

「そうですか、初めまして。毛利仁、といいます。竹下君とは、よくラーメン屋で一緒になるんですよ」

俊太郎はかなりのラーメン通だ。この人も、そういう流れで知り合ったのかな。

「こちらこそ、初めまして」

あたしはふと、名刺を持っているのに気付いた。インターンの時の習慣みたいなものだ。
バッグから名刺入れを取り出し、慌てて差し出す。

「最近の学生は名刺常備なんだっけな。早稲田の商学部……俺の後輩か」

「そうなんですか?」

「俺は政経だったけどな。っと、こっちも名刺を出すのがマナーだね」

毛利さんは、胸ポケットから名刺入れを取り出した。名刺には、こう書かれてあった。



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