3:名無しNIPPER
2021/09/20(月) 19:03:22.40 ID:ijUOeYjJ0
「なぜ弊社を志望したのか理由を教えてください。」
先週。つまり11月下旬。久しぶりに漕ぎ着けた面接でこのような質問を受けた。
この会社以外にも何度も受けた質問。定番の質問。当然俺も回答を用意している。
「はい!御社を志望した理由は、私は地方創生に興味があり、御社でその地方創生ができそうだと感じ〜、加えて御社理念にも共感しており〜」
事前に用意してきた回答を澱まずに言えた。
ここまではいつも通り問題ない。
「なるほど。それではそのように思う理由を教えて頂けませんか?」
と、面接官からいつものように質問を受けた。当然これも理由を考えてある。
「は、はい…!それは…ですね…大学生時代のアルバイトの経験から…」
「大学時代のアルバイトからどうしてそのように思ったのですか?」
「えっと…それは…」
駄目だ。言葉が出てこない。あんなに考えたのに。
当然だった。俺は地方創生には興味がないし、この会社の掲げている理念に共感なんて全くしていない。
つまり、俺が面接で話していることは全くの嘘だった。
無い内定を脱したい。なんとか1つ内定を手に入れたい。
そんな思いで必死だった。
「…わかりました。では、面接を終了します。ありがとうございました」
「…こちらこそありがとうございました」
そんな俺の甘い考えを見透かされていたかのように、面接官は静かに終わりを告げた。予定の時刻より30分ほど早く面接が終了した。
結果は先に述べたように予想通りの惨敗。
まぁ、当然だよな。嘘しかついてないからな。仕方ないな。
「自分に同情するな」「自分に同情するのは下劣な人間のやることだ」
どこかの小説で読んだフレーズが脳内に響き渡る。
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