【デレマスss】木村夏樹「ファースト・パッセンジャー」
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16:名無しNIPPER[saga]
2021/09/15(水) 22:33:52.15 ID:TCAbkAPj0
 いつかの自然公園は交通の便がかなり悪いらしく、電車とバスを乗り継いでやっと到着した頃には夕暮れ時もそろそろ終わりという時間になってしまった。人通りはほとんどなく、駐輪場には青いバイクが一台だけ。やはりここにいるという直感は当たっていたようだ。

 街灯を頼りに人影を探すと、あの時と同じ場所で座り込む木村先輩がいた。

「木村先輩!」

「来んな!」

 木村先輩は俺の方を振り返らずに叫び返す。ライブの時のシャウトとは明らかに違う迫力があった。本当に来ないで欲しいという気持ちが溢れている。

「いや、もう暗いし危ないですよ! 帰りましょう!」

「いつ帰るかなんてアタシの勝手だろ! 大体なんでアンタがこんなところに来るんだよ!」

 あんなに優しかった木村先輩が初めて理不尽に怒鳴った。それでも引き下がるわけにはいかない。



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