95: ◆yOpAIxq5hk[saga]
2021/09/09(木) 00:47:10.23 ID:gvlgOaLx0
一方でわたしは反応に困った。「なぁ?」と言われても、同意はしにくい。
「お前らはもう行っていいぞ。乙葉、ちょっと離れたところで待ってろ。あー、そうだ。この前、遣いに行かせたときのポイントが余ってたよな? それでコーヒー買ってきてくれ。なぁ、アイスとホットどっちが好みだ?」
「……ホットでお願いします」
「だそうだ。俺はアイスな」
マイペースに話す生徒会長の発言に、乙葉と呼ばれた女子生徒は深妙な面持ちで会長へ近付く。
「もう残ってないけど」
「……は? いや、あの時のポイントが残ってるとかどうでも良くてさ、とりあえず立て替えてくれよ。後で倍にして返すからさ」
「いや、だからもうポイント無いんだって」
その発言に、会長は額に手を当てて空を仰ぐ。
しばらく訪れる静寂の間。
それを破ったのは、呆れたような表情をする会長だった。
「お前、三年生になったらちゃんと節約するって言ったじゃん。まだ四月の一週目だぜ? 一週間も経たずに今月のポイント全部使ったのか?」
「うん、そうだけど」
「……もういいや。ほら、端末出せ」
手慣れた手つきでお互いが学生証端末を操作する。
なるほど、ああやってポイントを他人に与えることもできるのか。目の前のケースは特殊のようだが、今後何かの役に立つかもしれない。覚えておこう。
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