593: ◆yOpAIxq5hk[saga]
2021/11/30(火) 08:49:19.76 ID:BuUp22UaO
「ところで話は変わ────」
「……それは、はい。お誘いいただければ」
「…………いいの? 無理してない?」
「人間関係の構築も、わたくしがこの学校に進学を決めた理由の一つです。春宮様にそう言っていただける内は、ぜひお誘いいただきたく存じます」
まだ揺らいでいるようにも見えるけれど、先ほどまでの弱々しい目の中には前を向こうという強い意志が感じられた。言葉通り、人間関係の構築には彼女自身思うところがあったのかもしれない。
「うん、じゃあ是非。わたしは生徒会の業務があるから平日の放課後は少し難しいかもしれないけれど、お昼休みとか休日にお話できたら嬉しいかな」
「はい。24時間365日、携帯を握りしめてお待ちしております」
うーん、重たい。
『友達』という距離感の認識に齟齬があるのかな。
「四六時中は東雲さんも大変じゃない? 気付いたときだけで大丈夫だから。1時間くらいの未読ならわたしも気にならないし」
本当はすぐにでも返事が欲しいと思ってしまう本心は隠しておく。誰かにメッセージを送った後、少しソワソワしてしまう気持ちは誰にでもあると思いたい。
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