520: ◆yOpAIxq5hk[saga]
2021/11/10(水) 23:22:18.57 ID:FvWwTJodO
誰がどう見てもAクラスが大勝したのは明らかだった。
安堵できる点として、高校生活が始まってまだ2ヶ月目であること。今後の特別試験やテストの点数次第では逆転の余地は幾らでもある。
悲しむべき、危惧すべきこととして、圧倒的な差に向上心が失われてしまうこと。2倍の差はとてつもなく大きい。単純にAクラスは毎月14万円分のポイントを得ているというのも羨ましいと考えてしまう。
「本日より皆さんはBクラスになります。今後も頑張ってください。それではホームルームを終わります」
労いの言葉も無しに颯爽と立ち去っていく伊藤先生。
もしかしたら今後のクラスの方針を立てるための早めに退いてくれたのかもしれない。考えすぎかな?
クラスのリーダー格である一色くんが率先して教壇に立つと、ざっとクラスを見渡して発言を始める。
「みんな、ひとまずBクラスに上がれたことを喜ぶべきだ。確かにAクラスとはとても大きく引き離されてしまった。だが、まだ3ヶ月目だ。挽回─────いや、巻き返す機会は幾らでもあるだろう」
「だ、だよな? そもそもDから2ヶ月でBまで上がった訳だし……」
「そうだよね! ウチら頑張ったもん!」
一色くんの言葉に呼応するようにクラスの至るところから声が挙がる。どれも前向きな思考によるもの。非常に良い傾向だった。
608Res/522.78 KB
↑[8] 前[4] 次[6]
書[5]
板[3] 1-[1] l20