513: ◆yOpAIxq5hk[saga]
2021/11/10(水) 23:18:24.23 ID:FvWwTJodO
「ひとつだけ確認させてくれ。どうして俺なんだ?」
「二年生は佐倉様と化野様の両局に分かれて、今もなお牽制し合っていると風の噂で耳にしました。それならば少しでも軍資金が多い方が良いのでは、と考えた次第です。余計なお世話であれば申し訳ありません」
「……なるほど。それは正しいな。悔しいが正しい」
どうやら東雲さんは夏帆先輩のクラス移動によりポイントが枯渇していることは知らない様子。まぁ、本当に出どころが不明のため、実際枯渇しているのかは分からないけれど。
「気持ちはありがたいが、下級生に心配される程じゃない。夏帆がいいと言うなら受け取るつもりはない」
「承知いたしました。元より無くなる予定のポイントですので、もし当日までにお気持ちが変わるようでしたらご遠慮なくお声掛けください」
実際、新汰先輩にポイントが必要だったかどうかは表情から読み取ることは出来ない。内心を窺わせないところは流石だと思った。
それから数言だけ錦山会長と言葉を交わした東雲さんは生徒会室を後にする。最後の最後で視線が合い、「あの件はお願いしますね」と目で訴えられる。
約束は可能な限り守るつもり。ただし、本当に今回の特別試験で望月くんの属する『いのしし組』の勝利、そして結果的にCクラスがBクラスに上がることが出来れば、の話だけれど。
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