506: ◆yOpAIxq5hk[saga]
2021/10/30(土) 23:08:15.02 ID:sIx2y35x0
「なに? また部費の相談とか? 追い返して来る」
もはや恒例となった乙葉先輩を誰も止めることはしない。
本当に追い返した末に、ユキ先輩、夏帆先輩が話をきちんと聞きに行くからだった。各部の部長もそのことを知っての上のようなので、今さら気にする必要はない。
「はいはーい」
意気込んで扉を開けた乙葉先輩は、
「……おおっと」
扉の向こうに居た人物を想定していなかったらしく、少し大袈裟に驚いたようにして、その人物を生徒会室へ招き入れる。
「失礼いたします。1年Aクラスの東雲と申します」
入り口で綺麗にお辞儀をして見せた東雲さんは錦山会長、乙葉先輩、と視線を合わせて行く。
このことに一番驚いたのは同じクラスの神宮くんだった。
「どうしたの、東雲さん」
「少々、生徒会の皆様にご相談がありまして。神宮さまはお気になさらず、業務を行なっていて下さい」
「お前、クラスメイトに様付けで呼ばれてんの?」
「いえ、これは……!」
うっちー先輩こと内山先輩が面白そうに茶化している内に、東雲さんは錦山会長の目の前まで迫っていた。
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