50: ◆yOpAIxq5hk[saga]
2021/09/05(日) 00:02:52.85 ID:ZnAtS4a30
【>>49 5:奇数:「みんな、少しいいかな」】
「みんな、少しいいかな」
ちょうど真ん中辺りの席に座っていた男の子が立ち上がり、クラス中の注目を集める。彼はそのままゆっくりと教壇の方へ行き、電子黒板の前で振り向いた。
爽やかな男の子だった。何か運動をしていたのか、程よく筋肉が付いているのが制服越しに分かる。
「先生が来るまであと十五分くらいあるよね。それまで、簡単に自己紹介でもどうかな」
みんなが言い出せなかった、あるいはこの後のオリエンテーションの中で行われるであろう自己紹介を先に行おうと言い出した。
クラスの一人が「いいね。やろうよ」と言う。
その後、次々とその案に賛同する者が現れる。
「ありがとう、みんな。じゃあ早速だけど────」
直後、パン、と机を叩く音がクラス中に響く。
その音の発生源はわたしと同じく教室の一番後ろ、そしてわたしの対照的な位置にある廊下側の席だった。
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