484: ◆yOpAIxq5hk[saga]
2021/10/24(日) 22:49:03.60 ID:tOhkUR4E0
つまり彼は、雨宮さんが『白石詩波』だと気が付いて─────。
「素人の目は誤魔化せても、僕の目は誤魔化せない」
そんなドラマの中だけみたいな台詞。
なんの恥ずかし気もなく発する。
「もちろん僕と彼女2人きりという訳じゃない。それは彼女に対して恐れ多い。僕の大切な人と、春宮さんも同行して貰えればそれでいい」
これまで望月くんに対しては、実力を秘めている超実力者というイメージがあったけれど、そんなイメージは今晩で瓦解した。
まぁ確かに、売れっ子女優であり売れっ子アイドルと休日を過ごしてみたいという気持ちは分からなくもないけどね。
この事について話を詰める前に、一点だけ確認しておかなければならない。わたしがうっかり口を滑らせたという事にはならないように。
「一応だけど、確認させて貰えるかな。雨宮さんのことは─────」
「白石詩波だろう? 入学式の日から気付いてるよ」
彼がもう知っていることについては確認は取れた。
ただ厄介なことに、彼が今の時点で疑惑の段階だった場合、わたしが認めてしまった時点でそれは確信に変わってしまう。
何にしても、雨宮さんの居ない場所でこの交換条件を飲むのは憚られる。
「ごめん、その条件は飲めない」
わたし1人で解決できることや、敢えて区別するなら一般人とのデートのセッティングをする協力であればわたしも即決できた。ただ雨宮さんの場合はそうもいかず、これ以上はボロが出てしまいそうになるため話を切り上げることにする。
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