441: ◆yOpAIxq5hk[saga]
2021/10/14(木) 00:35:05.41 ID:6fC21ecn0
結果発表が終わると集まっていた人も捌けていく。
残ったのは入賞した3チームと数名の生徒の他、設営スタッフの方々だった。
「天音ちゃん、ちょっといい?」
「春宮様、少しお時間よろしいでしょうか」
乙葉先輩と東雲さんの両方から声を掛けられる。
只事ではない雰囲気は嫌でも伝わってくる。
「あー、まぁいいや。東雲さん、手短に先どうぞ」
「いいえ。後輩として、先輩に先をお譲りするのは当然というもの。わたくしの用は花菱様の後で構いません」
「なら遠慮なく。天音ちゃん、よく満点取れたね。最後の方の問題とか訳分からなかったんだけど?」
最後の方の問題。
ルベーグ積分とかその辺りの問題だったはず。
確かに最終問題の方は難易度が跳ね上がっていた。高校生で学習する範囲を超えている。解けなくて普通なんだと思う。
そんな問題を学生しか参加しないイベントで出す方もどうかと思うけど、今はそんなことどうでもいい。
わたしは万全を期して優勝するために手を抜かず正しく解答を導き出した。その結果、満点という結果を出せば、こうやって詰め寄られるのも当然の事だと思う。
「理系の教科には興味があって、むかし本で読んだことがあったんです。だから解けました。自信は半々といったところです」
「……ほんっと規格外。ずるいずるい! 勉強も出来て運動も超出来るとかさー」
頬を膨らませる乙葉先輩を押し退け、錦山先輩が近付いて、わたしにしか聞こえない小さな声で囁く。
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