416: ◆yOpAIxq5hk[saga]
2021/10/09(土) 22:37:56.71 ID:kNZzxQKH0
「クク。随分と手懐けてるようだな、天音。その調子で1000万頼むぜ? 少々出遅れたが、俺たちも予定通り1000万稼ぐ。今回の特別試験は稼ぎ時だからなぁ」
「その話には乗りません。で、何のご用ですか?」
「知らない仲じゃないんだ。見かけたら話しかけるのは当然だろ?」
入学して2日目、早見さんとケヤキモールでお茶していたところで割り込んで来たのは何処の誰だったか。
その話を振るとまた長くなるため、席を立つ。
「そろそろ教室に戻ろっか」
一色くんと宮野さんの方へ向かって、そう言うと彼らは頷いてくれて、済んだ食器が乗ったおぼんを手に取る。
「てめぇ、無視してんじゃねーよ」
取り巻きの一人、宇垣くんがわたしの肩を掴む。
避けるのも振り解くのも容易に出来たが、あえて掴まることでこの場を去るための正当な理由が出来た。
「一度だけ言います。はなして」
「……ッ」
視線を逸らし、肩を掴んでいた手が退く。
改めておぼんを手に取り、返却口へと向かう。
「せっかく一緒の組になったんだ。少々外野がうるさいが、じっくり楽しもうぜ?」
後ろの方からそんな声が聞こえた。
わたしがDクラスと繋がっている、と根も葉もない噂が出回る前に手を打った方が良さそうだ。
差し当たってはこの特別試験でDクラスに対して完全勝利を収めたいところ。その中でも『ねずみ組』の勝敗は譲れない。
5月1日から中間テストのため頑張ったつもりだったけど、もう少しだけ頑張る必要がありそうだなぁ。
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