389: ◆yOpAIxq5hk[saga]
2021/10/05(火) 23:42:12.73 ID:x+YhKm2i0
先輩はフェンスに寄り掛かり、数メートルの距離まで近付いたわたしに微笑みかける。
「上手くやったみたいだね、天音ちゃん」
「はい、なんとかなりました」
「わたしは信じていたけどね? で、どうやったの? 平均91点だっけ? 超優秀じゃん」
「これです」
鞄から取り出した自作の問題用紙を手渡す。
ざっと目を通した後、乙葉先輩は首を傾げる。
「あれ、最後の問題って変わったのかな。 わたしの時と違うよ?」
「それ、わたしが作った問題用紙です。実際に出た問題はこっちです」
続いて実際の中間テストの問題用紙を手渡すと、先輩は「あー、これこれ!」と元気よく頷く。
「えーっと、あれ? 聞き間違いじゃなければ、こっちは自作? すっごくよく出来てるじゃん! っていうか凄いしズルい!」
「先輩が意地悪して過去問題を渡してくれなかったので、真っ当に試験対策しただけです」
「……いや、まじかぁ。まさかこんな精度でテスト予想するなんて思わなかったもん」
「次は100%を狙います。今回は90%くらいでした」
「ずっるーい。いいなぁ。3年生の分も作ってよー」
「それは出来ません! 出来たのは1年生の範囲だからです」
「またまたぁ。もう天音ちゃんが3年生で学習するようなことを知っていても驚かないんだからねー」
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