368: ◆yOpAIxq5hk[saga]
2021/10/04(月) 22:02:37.88 ID:P4T3KZk70
あっという間に廊下にはCクラスのクラスメイトだけが残る。
「大丈夫? 春宮さん」
「あの人と知り合い?」
「うん、大丈夫だよ。何かと目をつけられていてね」
一色くんと宮野さんが駆け寄って心配してくれる。
わたしは胸の内側にある感情を抑え、出来るだけ笑顔を取り繕って話す。
「何かあったら─────いや、もう後戻りは出来なさそうだね。僕も協力させてくれないかな? 彼は1年生全体、そしてCクラスにとっても脅威になる。なんとなくだけど、そういう雰囲気を感じるから」
「私も! 困ったことがあったら言ってね!」
ありがたい申し出にわたしはお礼を言って、ペナルティを頂戴しないためにも視聴覚室へと入る。
部屋の中は約100人程度が収容可能な広い部屋だった。前方には巨大なスクリーンが、そして5人掛けの机と椅子が2行10列になって並んでいる。
ぱっと見、同じクラス同士の人たちで固まっているようだった。Dクラスの辻堂くんと西野桜さんは、おそらく西野さんが嫌がって遠い席に座っているけれど。
わたし達Cクラスも適当な位置の席に腰をかけたところで、スクリーンの前に立っていた先生が視聴覚室の扉を閉める。
「3分遅刻ですが、まぁいいでしょう。私は3年Bクラスの担任をしている中田庄司です。早速ですが、特別試験の概要をご説明いたします」
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