366: ◆yOpAIxq5hk[saga]
2021/10/04(月) 22:01:31.76 ID:P4T3KZk70
すると辻堂くんは壁に寄り掛かり、少し間を置いて勝ち誇ったように微笑んだ。
「こっちも上出来だ。3人も消せたんだからな」
「は……?」
消せた?
それは、退学者を出したということ?
口ぶりから察するに、赤点を取らせたようだけど…。
意味が分からない。自分のクラスから退学者を出してどうするつもりなのか。
「そんな驚くようなことじゃねぇだろ。1ヶ月も同じ教室にいれば、誰が何を出来るのか、出来ないのか。優秀なヤツと無能なヤツを見極めるのは難しいことじゃない。クラス一丸となって上を目指すには不要なヤツを切り捨てる。当然のことだろ?」
わたしの目を見て訴えかけてくるが、その意図は言葉通りの意味だったとしても理解できない。
優秀とか無能とか、たった1ヶ月で判断できるはずがない。体育の授業を取っても未だに水泳しかやっていなくて、陸上競技や球技の実力は未知数なのに。
Dクラスから合計4人の退学者が出ている。その人たちの最終学歴は中学卒業になるのか分からないけれど、かなり難しい人生を強いられることになる。
前々から好きにはなれない人だな、と思っていたけれど、今は確信を持って彼のことを敵視できる。
「クク。良い目をしているな。益々気に入いったぜ」
「辻堂くんのやり方は間違っています……!」
「それを決めるのはDクラスだ。今のお前はCクラスの生徒で外野に過ぎない。さっさとDクラスに来いよ、天音。そうすればゆっくり話し合えるし、お前なら無能なヤツを導いていけるんじゃねぇのか?」
彼の言っていることは、悔しいけど正しい。
わたしは他クラスの生徒で外野に過ぎない。
それに見方を変えれば、今回の中間テストを経てCクラスとDクラスの間には大きなクラスポイント差が生まれた。
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