289: ◆yOpAIxq5hk[saga]
2021/09/24(金) 23:43:09.04 ID:1ouIvNPrO
◇◇◇
入浴剤で癒された翌日のお昼休み、わたしは友達のお誘いを断って、一人で食堂を訪れていた。
ランチAセットの券を購入して、わたしは食券機近くでただその時を待つ。こうしている間にもお腹は段々と空いていくが、この機会を無駄には出来ない。
約5分ほど待つと、待ち人はやって来る。
やや肥満気味な男子生徒。確か苗字は鈴木さんといったか。名前までは思い出せない。また生徒会室に置かれている生徒名簿を読み返しておく必要がある。
ともあれ彼は重い手つきで食券機の右下にある『0ポイントの山菜定食』を選択した。ポイント振り込み日である5月1日から間も無いが、3年Dクラスのクラスポイントはかなり困窮していると見える。
わたしは先輩の後を着いていくようにして、先輩が山菜定食を食べ始めたところで声をかける。
「お食事中に申し訳ありません。わたし、1年Cクラスの春宮といいます。お食事をしながらで結構ですので、お話を聞いていただくことはできますか?」
「し、知ってるよ…。錦山くんの生徒会に入った1年だろう? それに君は、何かと噂になってる」
無視を貫かれたらどうしようかと思ったが、わたしの肩書きと道場破りの悪名は良く轟いているようだ。
先輩の向かいの席に座り、和食のDセット─────1050ポイントというお高い昼食を見せつける。
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