284: ◆yOpAIxq5hk[saga]
2021/09/24(金) 20:30:30.63 ID:1ouIvNPrO
どうやら昨日の勉強会は上手くいかなかったようで、重苦しい表情をしている。
「正直、あそこまで理解が及んでいないとは思わなかった。具体的に言うと小学生の範囲も理解できていない。まだ初日を終えた段階だから弱音を吐くのはダサいことだが、どうしたものかと悩んでいる」
「そっか。……そうだなぁ」
正直、次の中間テストは付け焼き刃で乗り切れるとは思っている。しかしそれ以降のテストは幾度となく訪れる。その度に今回の規模で勉強会を行うのは負担になってくるだろう。
なんとか自主性に任せて勉強を促したいものだが…。
「ごめん、ちょっと考えてみるね。本当に悪いんだけど、もうしばらくは今の体制で協力して貰えないかな?」
「春宮が悪いわけじゃない。……まぁ、アイツらが悪いと決めつけるのも違うんだろうな、この場合は」
日々の学習を怠っていた彼らを責めることなく、一之宮くんは頷いた。しばらく負担をかけてしまうことに胸の奥が痛くなる。
部活動組の勉強会は滞りなく進みそうだったが、放課後組は雨宮さんの件と理解度の件が2つ重なっている。頭を抱えたい気持ちは間違っていない。
彼が自分のことだけでなく、クラスメイトのことを想える人格者であることを認識して、わたしは一之宮くんと別れる。
この件は今週中にケリをつけないと厳しそうだ。
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