213: ◆yOpAIxq5hk[saga]
2021/09/19(日) 15:43:32.77 ID:wv2ppvvR0
「負けたのは事実だ。完敗だった」
「もしよろしければ、再戦させてください」
「それは負けたヤツの台詞だ。またわたしに負けろって言いたいのか?」
「そ、そうじゃないですっ」
「はは、冗談だ。まぁとりあえず上がるか」
たった100メートルくらいで疲労感は無く、わたしはプールサイドに上がる。そこには神宮くんがタオルを持って待っていてくれた。
「お疲れ様。間近でオリンピックを見ているような気分だったよ」
「それは言い過ぎじゃない? でも、確かに勝ったよ」
「うん、ずっと見てた。瞬きを忘れるくらいに」
この対決が始まる前、わたしは神宮くんに一つ約束をしていた。
『わたしは必ず勝つ』と。
実力の測れない麻倉先輩相手では勝てるか不安な部分もあったが、自分を信じて競技に臨んだ結果、無事に約束を果たすことができた。
その後に上がってきた麻倉先輩には水泳部の女子生徒がタオルを手渡し、軽く水滴を拭き取った後で錦山先輩のもとへと寄る。
「この勝負、私たち水泳部の負けだ」
「ウチの新人は有望だろ?」
「あぁ。本気で水泳部に欲しくなった。春宮、これからの放課後、休日、暇なときはここへ来い。部員でなくともお前ならいつでも大歓迎だ」
生徒会役員である以上、水泳部に入部することはできない。しかし部長直々にお許しを戴いたとなれば、今後自由に練習に参加することは出来るのだろう。
暇なとき、ここに寄るのもありなのかもしれない。
そんな予期せぬ収穫もありながら、第一の目標であった焼肉を奢って貰える権利を獲得した。
乙葉先輩がとても喜んでいるようで何よりだ。
【休日に水泳部を訪れることが可能になりました。
ここで1年Dクラスの雰囲気を安価で決めたいと思います。
7・0:生活態度が真面目なクラス
その他:授業中の私語・遅刻欠席が頻発するクラス
下1のコンマ1桁でお願いします。】
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