203: ◆yOpAIxq5hk[saga]
2021/09/18(土) 21:01:15.20 ID:OvX+OJOdO
それから数言交わしていると、伊藤先生がホームルームのため教室前方の扉から入ってくる。宮野さん達が席に戻るのを見送って、わたしも席に着く。
「全校集会お疲れ様でした。ご存知の通りかと思いますが、このクラスから春宮さんが生徒会の書記となりました。色々と頼りにするのは結構ですが、頼りすぎないよう注意してください」
どうしてか今日の伊藤先生の背筋は伸びているように見える。クラスから生徒会役員が出た為か。
わたしの観察を知る由もなく、先生は続ける。
「なお、学校の歴史を見ても1年Dクラスから生徒会役員が出たことはありません」
そこでわたしは首を傾げる。
なんだか奇妙な言い回しに聞こえたからだ。
1年Dクラスから生徒会役員が出たことがない?
偶然そういうこともあり得るの……かな?
「連絡事項は以上です。1時間目の準備をするように」
そう言い残して出席簿を片手に教室を出て行く先生。それと入れ替わるように数学担当の先生が教室に入ってきた。
後を追って話を聞こうかと思ったが、それを阻まれた形となる。友達同士の雑談も出来ないまま、わたしは数学のノートを机に出し、タブレット端末から数学の教科書を起動する。
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