202: ◆yOpAIxq5hk[saga]
2021/09/18(土) 21:00:44.61 ID:OvX+OJOdO
【>>201
8:1年Dクラス】
Aクラス前の教室で神宮くんと別れ、Bクラス、Cクラスの前を通っていく。もう間も無くホームルームであるためか廊下で人とすれ違うことなく、Dクラスの教室、その後方の扉の前に立つ。
わたしの席が窓側の一番後ろであるため、登下校のときは良くこちら側の扉を利用している。全校集会後も例外でなく、自然と足が伸びてしまった。
扉の前で小さく深呼吸をする。
「……ふぅっ」
生徒会の役員になることが決定してから約五日。
クラスの人には黙ってきた。
そして先ほど集会の場で全員に知れ渡った。
この扉の先には、どんな感情が渦巻いているのか。
「よし」
扉を開けると、全員の視線を一斉に浴びる。
わたしは特に何もなかったかのように自分の席に着こうとするが、やはりそうは問屋が下さない。
まず水泳の授業を通して仲良くなった宮野さんが駆け寄ってくる。それから彼女と仲の良い女子も数名。
「春宮さんっ! すごい! 生徒会なんて!」
「そ、そうかな? たまたま声をかけて貰ってね?」
「良いと思うよ! 本当は水泳部に入って欲しかったけど、生徒会なら納得ってかんじ!」
この中に生徒会入りを希望していた人が居たとすれば、わたしは憎まれる対象になるかもしれない。
ただ、そんな人はいなかった。
おおよそ想定通りの祝福ムードといえる。
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