【安価】ようこそ実力主義の教室へ
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170: ◆yOpAIxq5hk[saga]
2021/09/14(火) 23:27:02.81 ID:uJ9TLURy0
◇◇◇

 わたしがロビーに着くと、ソファに腰をかけて携帯を弄る生徒が数名いた。その中で男子生徒に絞り込みをすると0人。
 約束の時間まであと十分近くある。彼がもう到着している可能性も僅かながらあったが、さすがに早すぎたようだ。
 わたしはエレベーターから近いソファに腰をかけ、人を待つ。その間、何人もの一年生がわたしの隣を通り過ぎて行った。
 つい先ほどまでケヤキモールで遊んでいたと見られる制服姿の生徒、コンビニに買い出しに行くのか軽装の生徒。そのどれもがわたしに一度視線を向けてくる。どうやら水泳の授業での顛末は早速知れ渡っているみたいだった。
 わたしが到着してから五分ほど経って、明確にわたしに近づいて来る者の気配があった。携帯をしまい、立ち上がって彼の姿を視認する。
 一言で表すと、普通の生徒だった。
 身長は百六十五センチほどで、高すぎるほどでも低すぎるほどでもない。顔は童顔、色白、そして体格は痩せ身と、服装以外では女の子と見間違えるほどだ。

「初めまして、一年Aクラスの神宮です」

「こちらこそ初めまして、一年Dクラスの春宮です」

 寮の一階、ロビーで握手を交わす。
 しかしここでは通行人に目立つこともあり、裏口から出た先で話し合うことになった。


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