136: ◆yOpAIxq5hk[saga]
2021/09/11(土) 22:28:49.00 ID:h1bofGth0
前の人が泳ぎ始めたのを確認し、わたしも入水する。
水の冷たさはあまり感じない。さすが国立の高校。温水プールの準備にも怠りがなかった。
それから軽く五十メートルを泳ぎきる。前の生徒に追いつかないよう、そして後ろを追う生徒にも追いつかれぬよう、自然なペースで。
泳ぎきると、宮野さんが待っていた。
「春宮さん、センスあるんじゃない? すごくフォームが綺麗だったし、まだまだ余裕あるかんじでしょ? 本気で競泳とかやったら絶対伸びるって」
「えー、そうかなー?」
そんなやりとりをしていると、改めて先生からの号令がかかる。
「それでは早速だが、競走を行う。男女別の五十メートルだ」
右側のレーンに居た生徒からは悲鳴に似た声が、左側に居た生徒からは歓喜の声が屋内プールに響く。
「普通にやっても面白くないだろう。一位になった生徒には俺からの特別ボーナスとして、五千ポイントをやろう。男女それぞれ、一位になった生徒だけだ」
その太っ腹な発言に、左側の生徒はさらにやる気を見せる。
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