【ウマ娘】トレーナー「なんかループしてね?」ターボ「3スレ目だ!」【安価】
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676: ◆FaqptSLluw[sage saga]
2024/07/01(月) 00:46:04.33 ID:MSnVTOqo0

「なぁ、トレーナー」

「なんだ?」

「――アタシも、星になれるかな」


 天を仰いで、手を伸ばす。星を掴んで、引きずりおろすみたいにだらりと手を下げた。

 実際は、その手には何も握られていない。当然だ。星は悠久の彼方から光を俺たちに届けている。

 ただ、リョテイの掴んだ掌の中には、何かがありそうな気がした。それが実態を伴うかは、ともかくとして。


「アタシはロマンの求道者だ。レースのさなかにロマンを求めて……その結果、星になってみたい」

「星に」

「ああ。きらきら光って、誰かの目標や目的になるような輝きに、だ」

「……それはロマンだな」

「だろ?」


 に、と笑うリョテイ。そこで俺は、先ほどリョテイが何を掴んだのかをようやく理解した。

 あこがれだ。彼女は、憧れを手にしたんだ。


「星が綺麗ですね、ってか」

「ん、知ってたか」

「その手の表現が好きだった時代があってな」

「ああ、忘れてたわ」


 こちらを見てけらけらと笑うリョテイに、俺は疑問の目を向けた。

 リョテイは俺の目を心外そうに見つめ返して、もう一回空を見上げて、うそぶいた。


「――アンタは、ロマンの嚮導者だってことを、よ」

「嚮導者、ねぇ」


 先に立つ人間かと言われれば、俺はきっと違う。

 けれど、リョテイがそう感じているのであれば、きっと俺はそうあらんと努力する意味がある。

 ……一歩踏み違えれば、中二病のイタい奴になりそうだけど。


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