【ウマ娘】トレーナー「なんかループしてね?」ターボ「3スレ目だ!」【安価】
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649: ◆FaqptSLluw[saga]
2024/06/28(金) 12:25:52.56 ID:ppyp0opk0

「……俺は、君の味方だ。世界で一番の味方……だった」
「みか、た……?」


 トレーナーは、担当ウマ娘にとって一番の理解者であり――味方だ。それを俺はターボに、マヤノに、リョテイに教えてもらった。

 だから、これはしっかりと伝えなきゃいけないことだった。俺が俺であるならば、俺は君たちの味方なんだって。

 ……味方のくせに、俺は君を傷付けるばっかりだけど。


「俺の言葉は、きっと君にとっては信じがたいものだろう」
「……本当なら、信じられないって思っちゃうところです。でも……」


 でも、と。スペシャルウィークは都度2回、小さくつぶやいた。


「そうじゃなかったら納得できないくらい、胸が痛いんです」
「……そうか」


 ぎゅっと握られた袖はそのままに、スペシャルウィークはこちらを見上げる。
 
 そこにはやはりいまだに困惑が宿っていて。迷っていて。


「だったらあなたは……私にとってのトレーナーさんのような存在だったのかもしれないですね」
「そう、かもしれないな……」
「でも、だったらなんで私は忘れているんでしょう」


 そんな人のこと、忘れるわけがないのに。スペシャルウィークはそう呟いた。

 覚えていないのも無理はない。仕方のない話だ。

 俺が知っている事情を話せば、スペシャルウィークはきっと理解してくれる。

 だが、それはリスキーな行為だと俺は考えている。鼻血を出すだけならいいが、心理的に――大きなダメ―ジを受けるのではないか、と。


――トレーナーさんッ! 私、どこにいてもトレーナーさんが見つけられるくらいに輝きますから! いつかまた、会いに来てください……! 私にいつか、あの時のお礼をさせてください!!


 有馬記念の、スペシャルウィークの言葉。俺はこの言葉に何回も勇気をもらった。

 彼女に会うために、目標を達成しなければならないと思った。

 だから、こうして不意にめぐってきた機会に、タイミングに、俺は逆に考えるんだ。

 ……俺は、彼女に会うことはなかったんだ、と。

 俺は会いに行くつもりだった。URAの頂点に立てば、すべての因果から解き放たれると、そう思っていた。優勝を果たした後で、あの時のスペシャルウィークと話ができる確信が、俺にはあった。

 だけど、その考えの主体は俺でしかない。スペシャルウィークからしてみれば、唯一の味方が生涯会いに来てくれなかったという事実だけがそこにあるわけで。

 勇気をもらったからこそ、怖かった。俺のことを考えて走って、走って……その末に待ち受けた未来が一体何だったのか、俺はわからないからだ。


「……大丈夫、ですか?」
「……大丈夫だ」
「大丈夫じゃない、って顔してます」
「大丈夫だよ。俺は、君に比べたら」


 口をついて出た言葉に、スペシャルウィークは首を傾げた。

「私に比べたら?」
「……ああ」
「どういうことですか、それは」
「……」


 この言葉が、きっと彼女への対応の分水嶺になるだろう。

 ……どんな言葉を、彼女へ送ろうか。

―――――――――――

下1 トレーナーはどんな言葉をスペシャルウィークへと送る?


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