【ウマ娘】トレーナー「なんかループしてね?」ターボ「3スレ目だ!」【安価】
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◆FaqptSLluw
[saga]
2021/12/06(月) 03:09:07.95 ID:vo5qICds0
ひと際強くターフを蹴る。衝撃によって周囲の雨は霧散し、瞬間的に空気は震えた。
飛び散った雨によって一瞬虹が出現し、多くの人はそこに太陽のようなきらめきを幻視する。
ここからこのウマ娘は飛翔する。多くの人々の期待と確信をその背に抱え――キンイロリョテイは行軍を開始する!
先頭、サイレンススズカとの差は実に8バ身。影をも踏ませぬ快速バとしての彼女を差し切れる存在などこの世界に居ないと言わんばかりのセーフティリード。
最終コーナーに差し掛かり、サイレンススズカの脚がさらに伸びていく。1ハロンを類を見ないほどのスピードで駆け抜けた彼女は、今や”天駆けるウマ”。
そんな存在を差せるウマ娘など居るのか、という質問に、裂帛の気合が答えた、応えた。
「タイマンと洒落込もうぜ、”異次元の逃亡者”サン――ッッ!」
「――受けて立つわ、”解放者”……っ!」
それぞれが静かに、あるいは声高に吐き出し、スパートをかける。
最終コーナーを回り、最終直線に飛び出したサイレンススズカ。それを追い掛ける――いや、追い詰めるかのように距離を詰めるキンイロリョテイ。
1900m次点で、7あったバ身は既に3にまで縮まっており、ついにキンイロリョテイはサイレンススズカの影を踏む。
「影、踏ませてもらったぜ?」
「影くらいならいくらでもどうぞ。――でも」
雨すら衣装のようにまとう彼女は、静かに笑う。まるで突き放すような笑み。
「――先頭の景色は、譲らない……!」
鋭くターフを蹴る音。体をギリギリまで前に倒し、運ぶ脚はまるで飛ぶように前へ向かう。
”異次元の逃亡者”の本懐が、今此処に顕現する。正しく次元の違う逃げ足は、優駿の頂点を定める戦いの終止符を打つ鐘そのものだった。
……だが、それをキンイロリョテイが許すはずもない。口元を大きくゆがめて、キンイロリョテイは笑う。
「次はアンタが、アタシの影を踏む番だぜ、サイレンススズカッ!」
”異次元の逃亡者”の逃げ足が終末を告げる鐘であれば、キンイロリョテイの差し足はさながら開闢の光だった。
鈍色のヴェールを払い飛ばすような力強い運脚は、見るものすべてに畏怖を覚えさせる金剛の歩み。
そこに見るのは、”皇帝”を妨げた、絶対への反逆。決まりきった因果からの、解放。
解放者《リベレイター》。全ての想像を超える歩みは――。
「お先ッ!」
たった今、沈黙から東京競馬場を解放する。
最終直線200m、もはや二人以外は見る影もないほどの遠くにあり。故に総ては二人にそそがれる。
熱意も、視線も、希望も、何もかも。
絶対不変の逃亡者が、差し切られるその姿に――!
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