【ウマ娘】トレーナー「なんかループしてね?」ターボ「3スレ目だ!」【安価】
1- 20
33: ◆FaqptSLluw[sage saga]
2021/09/05(日) 19:32:04.78 ID:v2+k5mIX0
「――よく頑張ったな、シンボリルドルフ」


 立ち上がって、彼女の頭を撫でた。

 そうするべきだと、体が覚えていたから。

 しょっちゅうではないけれど、なんとなくこうしてきた気がするから。


「我慢しなくていい。気付けなくて、ごめんな」
「……」


 俯いて、ぐ、と拳を握る。


「……今だけは、今だけは私のことを、ルナと呼んでくれないか……」


 小さく、そうつぶやく声は震えていて。

 溜まらなく、それがむなしくて、悲しかった。

 自身が、そして俺がループしたと知った時、シンボリルドルフはどれだけ歓喜したことだろうか。

 ……そして、自分のところに来てくれなかったことに、どれだけの絶望を覚えただろうか。

 世界で一番の味方が、味方でなくなってしまって。……またループして、またループして。

 どれだけの年月を、暗い気持ちのまま過ごしてきたのだろうか。

 そして、遂にやってきた機会でも……たったひとつの、一度きりの願いだけで満足しようとしている。

 それが、たまらなく……むなしくて、悔しかった。


「ルナ、俺は決めたよ――理事長に直訴して、チームメンバーに君を加えて見せる」
「……!」
「約束しただろ、君をチームメンバーに誘うって」


 今年の初め、俺は確かにルナからそのように聞いていた。

 思い返せば約束ではなくお願いだった気もするが、だが――その言葉は絶対に嘘ではない。

 でなければ。


「本当に、いいのか……?」


 こんな、縋るような瞳は、しない。


「君にとって、俺はただ記憶を共有しただけの人間かもしれないけれど――それでも良ければ。それに、君がチームメンバーになれば、俺たちはもはや他人ではなくなるからな」
「トレーナー、くん」
「他人でなくなれば、チームメイトを愛称で呼ぶ必要も出てくる。君との時間も作ることが出来る……。話し足りないかもしれない君の話を、満足に聞くことも出来る」


 だから。


「だから、来てくれ、ルナ」
「……ああ、私も、君と共に……また歩みたい!」


 差し出した手。

 それをとる手。

 ぎゅっと掴んで……そして、唐突に引っ張られた。

 前のめりになる俺を、ルナは優しく抱きしめた。




<<前のレス[*]次のレス[#]>>
686Res/485.68 KB
↑[8] 前[4] 次[6] 書[5] 板[3] 1-[1] l20




VIPサービス増築中!
携帯うpろだ|隙間うpろだ
Powered By VIPservice