【ウマ娘】トレーナー「なんかループしてね?」ターボ「3スレ目だ!」【安価】
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303: ◆FaqptSLluw[saga]
2021/10/20(水) 01:46:31.27 ID:ezbV7Ab10


「えへへ、まさかまたトレーナーちゃんに撫でてもらえるなんて思わなかったよぉ」
「……俺だってそうだよ、マヤノ」
「随分と待ったんだよ? おばあちゃんになっても、ずっとずっと……」


 ……俺が消滅した後の世界は、そのままの時間の流れで進んでいく。

 当然だが、いくら俺が特異な存在でも、マヤノやターボたちは特段異常性のないただのウマ娘。

 一生を過ごして、永遠の眠りにつくその時まで、二度と会えない俺との記憶を抱えて生きていく。

 ひどくむごい話だと思う。実感がわかないのが、なおそう思わせる。

 俺が担当ウマ娘にマヤノやターボ、スペシャルウィークを選んでしまったばっかりに、彼女たちは消えない傷を抱えて歩くことを強いられている。

 だけど。だからこそ。俺はもう、折れない。折れるなんて、できない。

 このまま折れてしまったら、リョテイのことを置き去りにしてしまう。それに、今はターボもマヤノも――。


「トレーナー失格だよな、俺」
「……トレーナーは失格かもね。でも……」


 そう言いながら、俺の頭へとゆっくりと手を伸ばすマヤノ。苦し気だけど穏やかな表情に、心が安らぐ気持ちがして。

 頭の後ろへと腕を回して、静かに上体を起こすマヤノ。耳元にくっついた唇が震えて、言葉が紡がれる。


「――マヤの最高最強のパートナーとしては、合格だよ、トレーナーちゃん」


 小さく、何処までも小さく囁かれたその言葉。微笑んだ気配が伝わって、次の瞬間。

 頬に、柔らかな感覚が触れた。

 それが何よりの証左だった。それが何よりの希望だった。

 迷って迷って歩き続けた道の、一つの答え。

 それがこの感触だった。この思いだった。この体温だった。


「もう離さないでね、トレーナーちゃん」


 幽かな声が耳朶を捉えて。俺は、瞳から零れだすそれを止めるすべを知らなくて。

 声にならない声で、「ああ」と呟くことしかできなかった。

 でもそれでいい。これからもっといろんな言葉を交わすことが出来るのだから。

 これからもっと、思い出を紡げるのだから――!


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