【ウマ娘】トレーナー「なんかループしてね?」ターボ「3スレ目だ!」【安価】
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141: ◆FaqptSLluw[saga]
2021/09/24(金) 19:37:36.21 ID:On5GL/zV0

 時は過ぎ、夕方へ。

 レースは既に終了し、観客も解散して久しかった。

 帰還の準備を済ませたチーム・エルタニンの面々を、俺はスマートフォンを開きながら待っていた。

 ウマッター……SNSには、今日のことで話題が持ち切りだった。それもそのはずだ。


――皇帝、チーム・エルタニンに敗れるも善戦。


 ……そう、最終的に俺たちは勝つことが出来た。

 最後、誰の目で見ても本気を出したとわかるルナは、圧倒的な末脚でキンイロリョテイから逃げ切った。

 だが、後に外周が控えており、更には協力も得られず一人でのポイント探索。スタミナを使い切るような真似は愚策だったと言える。

 無理があった……はずなのだが。それでもルナは俺たちチーム・エルタニンに食いついてきた。

 最終直線……ゴールへの直線、残り100m付近でルナの影が見えた時は思わず震えた。あれが最強のウマ娘の姿なのだと、信じて疑うことはない。

 その凄まじいまでの走りは、俺たちの勝利を差し置いてSNSを騒がせていた。……無理もない話だ。


「……さて、そろそろか」


 スマートフォンをポケットにしまい、二人の到着を待つ。

 日が落ちてきて、少し寒さを感じ始めるころ、ようやく二人は出てきた。


「待たせたか、トレーナー?」
「まぁな」
「そこは嘘でも”今来たところだ”って言うとこだろ……?」
「無理があるだろ。それに……俺の為に走ってくれたようなもんだ、出迎えるのは当然のことだろ?」


 チーム・エルタニンの結束力の向上、各個人のステータスの増強、強敵との鎬の削り合い。

 どんな言葉を並べたところで、そもそもの目的がルナのチーム加入であるならば、二人は俺の為に戦ってくれたと言える。

 感謝以外の言葉はない。


「まぁ、私たちにとってもいいトレーニングになったので?」
「それでもだ。ありがとう、キンイロリョテイ、ナイスネイチャ」


 頭を下げると、声にならない声がナイスネイチャから漏れた。

 あまり感謝されたことがないのだろうか。顔をあげれば赤面し、指をつんつんとくっつけているナイスネイチャの姿が見えた。

 そんな光景にほっこりとしていると、ふと人影が俺たちの後ろから現れた。


「随分と仲が良いことで結構ッ!」
「……理事長」


 なー、と猫が鳴く声がして、俺たちは振りかえる。

 そこには秋川理事長が満面の笑みで立っていた。


「重畳ッ! 勝利できたようで何よりだッ!」
「ありがとうございます。ウマ娘たちが頑張ってくれました」
「うむ! 二人とも素晴らしい走りだったッ!」


 扇子を畳み、手を組みながら満悦の表情を浮かべる理事長。

 フット・オリエンテーリングの展開や結果にも満足したようで、両者の健闘を称える言葉を閉会式で賜っていた。

 そこでふと、俺は”あること”を思い出して、理事長へ聞くことにした。


「あの、理事長……」
「む、どうした?」
「――理事長、もしチーム・エルタニンが勝たなくても、シンボリルドルフを加入させてましたよね?」


 


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