渋谷凛「フロッシュゲザング」-SS速報VIP

渋谷凛「フロッシュゲザング」

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8: ◆Rin.ODRFYM[saga]
2021/08/29(日) 12:48:21.16 ID:8iVJtLSD0

「少年たち！　勝負だ！」
「はぁ？　何だよ。おっさん」
「おっさん！？」
「おっさんだろ、どう見ても」

以下略 AAS

9: ◆Rin.ODRFYM[saga]
2021/08/29(日) 12:49:24.94 ID:8iVJtLSD0

○

「おっさん……じゃなくて。スカウトマンさん、うまいっすね」
「いやいや、やはり私では手も足も出なかったな」

以下略 AAS

10: ◆Rin.ODRFYM[saga]
2021/08/29(日) 12:52:41.58 ID:8iVJtLSD0

◆

ボイトレ。
ボーカルレッスン。

以下略 AAS

11: ◆Rin.ODRFYM[saga]
2021/08/29(日) 12:56:19.50 ID:8iVJtLSD0

「好きなやつ、なんて言ったっけ」
「え。いつもおいしそうに飲むから、好きなのかなって」
「運動したあとのスポーツドリンクはなんだっておいしいと思うけど」
「好きなやつ、で相違ないじゃん」

以下略 AAS

12: ◆Rin.ODRFYM[saga]
2021/08/29(日) 12:57:42.75 ID:8iVJtLSD0

「明日はボーカルレッスンだったか」

私の隣へ、彼もぺたりと座り込んで言う。

以下略 AAS

13: ◆Rin.ODRFYM[saga]
2021/08/29(日) 12:59:23.96 ID:8iVJtLSD0

「もちろん、予想が外れたこともあったよ。例えば爪は、おうちがお花屋さんだから、水仕事がある関係でしてないとわかったし」
「で、なんで怒らせるって選択になるの」
「良い子なら、落とし物を拾ってくれた人に強く当たったらちょっと罪悪感があるものだろ」
「…………全部、作戦だったんだ」

以下略 AAS

14: ◆Rin.ODRFYM[saga]
2021/08/29(日) 13:00:55.09 ID:8iVJtLSD0

「ねぇ。紙、ある？」
「紙？」
「前に見せてもらったやつ」
「前に？」

以下略 AAS

15: ◆Rin.ODRFYM[saga]
2021/08/29(日) 13:02:54.72 ID:8iVJtLSD0
◆

いつだったか。
「できる男なんですよ」と私のプロデューサーがそう自称していたことがあるが、どうやら嘘ではなかったらしい。
私がそれを思い知ったのは、正式に彼の担当アイドルとなってから、すぐだった。

以下略 AAS

16: ◆Rin.ODRFYM[saga]
2021/08/29(日) 13:03:46.91 ID:8iVJtLSD0

「私、千人の前で歌ったんだよね」
「実感、ないか」
「あるよ。あるんだけど」
「けど？」

以下略 AAS

17: ◆Rin.ODRFYM[saga]
2021/08/29(日) 13:06:15.99 ID:8iVJtLSD0

○

こつり。
助手席から左足を降ろせば、アスファルトと打ち合って軽い音が鳴る。

以下略 AAS

18: ◆Rin.ODRFYM[saga]
2021/08/29(日) 13:07:30.37 ID:8iVJtLSD0

「それはさ、違うんだよ。全部、凛が持って来てくれたんだよ」
「でも」
「例え話。してもいいか」

以下略 AAS

19: ◆Rin.ODRFYM[saga]
2021/08/29(日) 13:09:00.63 ID:8iVJtLSD0

○

「さて、せっかくだし何か飲んで帰ろうか。奢るよ」
「カフェオレが無難じゃないかな」

以下略 AAS

20: ◆Rin.ODRFYM[saga]
2021/08/29(日) 13:09:54.70 ID:8iVJtLSD0

ああ、どうか。怖いことが起こりませんように。

ぎゅう、と目を閉じて私は祈る。

21: ◆Rin.ODRFYM[saga]
2021/08/29(日) 13:10:44.11 ID:8iVJtLSD0

「まぁ、結果オーライってやつなんだけどよ」

果たして私の願いは叶えられ、二人組の片方がそう言って、どういうわけか笑う。

以下略 AAS

22: ◆Rin.ODRFYM[saga]
2021/08/29(日) 13:11:58.20 ID:8iVJtLSD0

○

「君らガッツあるなぁ」
「いや、おっさんほどじゃねぇよ。おっさんは実際は何者なんだよ」

以下略 AAS

23: ◆Rin.ODRFYM[saga]
2021/08/29(日) 13:12:38.65 ID:8iVJtLSD0

「名前、教えてくれよ」
「俺の？」
「おっさんじゃなくて、その子」
「ああ。彼女は、渋谷凛さん」

以下略 AAS

24: ◆Rin.ODRFYM[saga]
2021/08/29(日) 13:15:08.97 ID:8iVJtLSD0

○

男性二人組が「仕事」と言ってからの、プロデューサーの変わりようと言えばすごかった。
テキパキと決めるべき約束事を交わしていき、取るべき言質を抜け目なく取っていた。

以下略 AAS

25: ◆Rin.ODRFYM[saga]
2021/08/29(日) 13:16:09.51 ID:8iVJtLSD0

ようやく今、いつかに彼が「アイドルがカエルであることは間違いではない」と言っていた理由がなんとなくわかったかもしれない。

プロデューサーのよくわからない連想ゲームに始まって、私が歌って、バスケの人たちがプロに入って、またプロデューサーのところへ戻ってくる。
そして、最後には私の元にお仕事として帰ってきた。

以下略 AAS

26: ◆Rin.ODRFYM[saga]
2021/08/29(日) 13:17:13.97 ID:8iVJtLSD0

「フロッシュゲザング、って知ってますか」

以下略 AAS

27: ◆TOYOUsnVr.[saga]
2021/08/29(日) 13:19:43.67 ID:8iVJtLSD0
終わりです。ありがとうございました。
SS速報さんが復活していることを知らず、こちらへの投稿が遅れましたことお詫び申し上げます。

渋谷凛さん、今年もお誕生日おめでとうございました！
世界で一番大好きです。

28:名無しNIPPER[sage]
2021/08/29(日) 19:27:07.74 ID:3p7JLf7J0
乙でした
いいなあ、この縁が繋がる感じ
でもこのPはやはり詐欺師っぽいw

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