33:名無しNIPPER
2021/09/04(土) 19:44:13.66 ID:emvZhRbY0
…どれくらいお城のなかに居たのでしょうか。
あたりは夕焼けが沈もうとしていて、かすかに鳥さんたちの鳴く声が響いていました。
私とサヤさんは、しばらくぼうっとほうきに乗ったまま遊園地を眺めていました。
「もう日も暮れようとしていたんですね」
そう言って、サヤさんは少し申し訳なさそうに私の方を見ます。
「いいんですよ、サヤさん」
そのとき、あたりの街灯に明かりがつき始めました。
少しずつ、少しずつ。それからどんどん広がって、街灯は遊園地を照らしていきます。
緑色の明かりや、青色の明かり、黄色の明かりなど、様々な色の明かりが遊園地を照らし、私は今日いちばんの景色を目の当たりにしているのでした。
明かりに照らされ、サヤさんは言います。
「すごいですよ!イレイナさん。こんな景色、見たの初めてです!」
「はい」
私は頷いて、サヤさんを見て笑いました。
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