70: ◆ty.IaxZULXr/[saga]
2021/08/24(火) 21:50:53.79 ID:lF0ws9bq0
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辻野家・りんご畑の中央
奏「辻野さん、おはよう」
あかり「奏さん、おはようございますっ。体調に問題ありませんか?」
奏「問題ないわ。その麦茶、もらっていいかしら」
あかり「美しいお顔が変わらないから平気みたいですね。はいっ、どうぞ」
奏「ありがと。日下部さんは、そこよ」
あかり「こんなに深い穴掘ったんですか?いつの間に」
奏「私達は人じゃないもの。日下部さん、一旦戻ってきて。水分補給しましょう」
あかり「それ糸電話なんですね。ロープもあるんご」
若葉「はい〜」
あかり「戻ってくるのが早いです。麦茶を、どうぞ、どうぞ、どうぞ」
若葉「ありがとうございます〜」
若葉「汗かいちゃいました」
若葉「色々わかりましたよ〜」
若葉「深さごとに土を分けてみました」
若葉「私から説明します。続けてください」
若葉「麦茶、ありがとうございました〜」
あかり「緑の若葉お姉さん以外穴に戻っちゃいました」
奏「植物のことは植物がわかる人物に聞くのがいいわ。日下部さん、何がわかったのかしら」
若葉「穴を掘ったのは土地を調べるためです、まずは表面です〜」
奏「この山ね。ガーデニングには詳しくないけど、良い土に見えるわ」
若葉「それだけ、ですか?」
奏「私が一晩警戒していたものと似た気配がする」
あかり「封印されてる……何か」
若葉「あかりさんのお父さんは緑の手の人なんですね、健康なりんごが育つと思います〜」
あかり「でも、育ってないのは」
奏「相手の影響ね。正体は、まだわからないけれど」
あかり「やっぱり」
若葉「あかりちゃん、りんごは弱いと思いますか?」
あかり「え?そうは思わないんご。台風で落ちちゃうことはあるけど」
若葉「木は丈夫です。今も枯れてません、弱っているけれど」
奏「土も根こそぎ力を奪われているわけではない」
若葉「なのに実らないのは理由があるんです。奏ちゃん、2つ目の山はどうですか?」
奏「もう少し深いところね。悪い感じはしないけれど、豊かさも感じない」
あかり「うーん、確かにそんな気がするんご」
若葉「リンゴ畑を初めて何年ですか?」
あかり「おじいちゃんが土地を見つけて来て、父ちゃんが若い頃に始めたから、20年くらいです」
奏「そこまで歴史はないのね」
若葉「土に理解がある人が無茶なことをしていないのに、土地は痩せてます」
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