【まどマギ】小巻「見滝原中に転入したわ」【安価あり】
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909: ◆xjSC8AOvWI[saga]
2022/02/13(日) 00:43:00.99 ID://+wdQQU0


まどか「……ごめんね。約束は破っちゃった」



 守らなければいけない一人だったはずの、まどかだった。



――――――



 身体が軋んでいる。瓦礫の重さがのしかかる。

 避難所の方角へと向かった仲間の背を眺め、それから周囲に視線を移した。


 依然として使い魔は多い。こちらに目が向くのも時間の問題だ。身動きも取れず、負傷して一人残った私は恰好の標的にされるだろう。


ほむら(……みんなのことは信じたい。でも、私が死んだらもう過去にも戻れなくなる)


 まどかのことをみんなに任せる思いで行かせた。それなのに矛盾する思いだ。

 自分がどれだけもつかということを考えて、いつでも廻せるようにそっと盾に手をかけた。しかし、頭に浮かんだ。


 キュゥべえ――インキュベーターに言い当てられたことだ。

 繰り返したからまどかの素質は増えた。

 魔女になれば世界を滅ぼすほどに力を増し、キュゥべえからもまどかの存在を脅威に思う魔法少女からも狙われやすくなった。


 だから自分がこれからのまどかの人生も守りきり、責任を果たさなくてはいけないと決意していた。


ほむら(これ以上繰り返したらまどかはどうなってしまうの……?)


 この状況はどうだ。自分のことすら手一杯。

 まどかを守るどころじゃなく、ワルプルギスの夜の使い魔に殺されそうになっている。

 そんな自分がどうしようもなく情けなくて、心底憎らしいと思った。


 憎しみ。諦め。後悔。…………無力。

 感情がぐるぐると己の中を駆け巡り手が動かない。使い魔は目の前に迫っているのに。


 そんなとき、使い魔が消えて空の光が差し込んだ。沸き起こったのは期待と、『また』やってしまったのではないかという不安だった。



――――――


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