【まどマギ】小巻「見滝原中に転入したわ」【安価あり】
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908: ◆xjSC8AOvWI[saga]
2022/02/13(日) 00:09:39.33 ID://+wdQQU0



 もうここまでくれば、勝ち目のない戦いだってわかってた。


 三人で歯が立たなかった相手に、もう三人を加えたからって勝ち目が見えるわけでもない。

 それなのに戦いを止めないのは馬鹿みたいだって思われるのかもしれない。


 でもきっと、ここがあたしたちの『運命』なのだと思った。もしそれで、守りたいものが破滅を辿ってしまう運命を少しでも変えられたのなら。


 ――――……なんて、大げさすぎるかしら。


小巻「こっちに気づいたわね魔女! アンタを許すわけにはいかないから!」


 ワルプルギスの夜はあたしたちのことを敵として見てる。視界に入る限りは潰す気だろう。


 武器を手に駆け回り、憎き姿にただ必死で食らいつこうとする。

 回復は最低限に。ここに残っている街並みがなくなったら終わりだ。小細工するほどの余裕だってない。


 焦る気持ちはあった。落ち着いていられるわけがない。

 たとえ自分が助かっても他のみんなが死んでしまったらそのほうが嫌だって、思ってしまったから。



 勝てないと思ってた相手。響かないと思ってた攻撃。



 それでもある時、空は晴れていった。

 分厚い雲に覆われた景色も見慣れてしまっていたが、明けない夜なんてないのだと、そう言わんばかりに。



小巻「ワルプルギスが……!」

小糸「う、うん! 今のは効いてた! それに崩れてった!」

杏子「倒せた、のか……? 倒せたんだ! やった、あたしたちやっと倒したんだよ!」


 ここまで諦めなかったから倒せた。あたしたちの希望が勝った。

 でも今のは、『誰の』攻撃で。


 そんなことを考えたら、そう単純な話ではなかったことを悟った。あたしたちの背後に立っていたのは――――。




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