【まどマギ】小巻「見滝原中に転入したわ」【安価あり】
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831: ◆xjSC8AOvWI[saga]
2022/01/19(水) 23:55:44.11 ID:cNFBvCM/0


 マミは語り始める。


マミ「なにをするか、どう生きるのか、生きてていいのか、全部よ」

マミ「ワルプルギスの夜を倒すのは決まってる。でもそれが終わったら、その先は。……私は全然わからなかった。もう“何もない”ように思えた」

マミ「どうせ魔女になるのなら死ねばいいのかもとも思った。今もふと気づいたら迷ってしまうことがあるわ」

小巻「そんなこと言わないでよ! この前言ったでしょ? 生きてればいつかきっとなんとかなるって――」

マミ「聞いて。……あなたの言葉は嬉しい。勇気づけられた。でも、いくらそう言われても、私は心からそうは思えなかったの」


 そう言われて一旦心を落ち着ける。

 心から思えなければ、希望を持った言葉ですら押し付けでしかなくなるのだろうか。


マミ「私はもう話すつもりなんてなかったけど、みんなで集まって話した日、本当は佐倉さんはこっちには来てたのよ」

マミ「あの子は今の浅古さんほども素直じゃないからそんなにはっきりとは言ってなかったけど、きっと心配されてたの」


 ……あの日、来てたんだ。暁美の家にいたときから今日まで、一切連絡よこしてないし気づかなかった。


マミ「全部打ち明けて…… そうしたら、『今まで強がってばかりでわかろうとしなくてごめんなさい』って伝えた私に対して、『自分も強がってた』って」

マミ「正義とか、悪とか、魔法少女とか、これからはそういうのに縛られないで本当にやりたいようにやろうって。……“だから”、お互いを許して一緒に生きようって」

小巻「……ホントにそんなこと言ったの、アイツが?」

マミ「もちろんすぐにそう言ったわけじゃないし照れ隠しはあったけど、重要なところはこのとおりよ」


 正直驚いてた。

 どう頑張っても、マミの心に響かせられるのはあたしじゃなかったってわけだ。


マミ「先のことは相変わらずわからないけど、私もそっちのほうがいいって……やっとそう思えたの」

小巻「わかるわけないでしょ。未来のことなんて。……織莉子だってこんな未来はわかってなかったわよ」

マミ「……そうね」


 まあでも、あたしの言ったことは間違ってなかったんだろう。

 死んでたらそんな話もできなかったんだから。


小巻「ところで、佐倉の昔の話もっと聞かせてよ。マミしか知らない面白い話あるんでしょ?」

マミ「ええ」


 こうしてやっと、重苦しかった空気が明るいものへと変わった。

 久しぶりにマミと会話を楽しむことができていると、その最中に、いつからかとても気まずそうな顔をした人影が覗いていることに気づいた。


 話題の中心人物だ。




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