【まどマギ】小巻「見滝原中に転入したわ」【安価あり】
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830: ◆xjSC8AOvWI[saga]
2022/01/19(水) 22:51:58.56 ID:cNFBvCM/0


 チャイムが鳴る。

 放課後になってから廊下に出ると、マミの姿が目にとまった。マミはまだ教室の中だ。


マミ「浅古……さん」


 そこに近づいていくとマミがあたしのほうに気づいた。鞄を整理していた手が止まる。


小巻「おつかれ。調子はどう?」


 よくある挨拶だけど、今は心配の意味も含んでいた。

 そんなに簡単に調子なんて良くなるわけないってことはわかってるつもりだ。あたしだって動揺した。本気で悩む経験だってした。

 もう弱さがわからないあたしじゃない。所詮言わなきゃわからないから、その気持ちは素直に伝えたほうがいいことも知った。


小巻「……心配だったのよ。一緒に戦う仲間ってのもあるけど、友達がヘコんだままじゃあたしも気が気じゃないの。少しは休めた?」

マミ「え、ええ。少し」


 気になって聞いてはみたものの、ここでは詳しいことを話すのには向かない。

 こんなとこで気軽に聞けるほど軽くはない。



 そのまま横でマミの支度が終わるのを待つと、自然と一緒に廊下に出て、校舎を出ていった。

 それから、その行き先はなんとなくだろうか。前にも一緒に来たことのある土手の片隅に腰掛けた。



マミ「私、迷っていたの」


 水の流れる音以外には、通りから聞こえる音も少ない。静かで、どことなく寂しさを感じさせるこの場所でマミは口を開く。


小巻「……、何を?」

マミ「全部」


 あたしは今でも、隠された細かな感情の機微や遠回しな表現を汲み取るのは苦手だ。

 そう思って聞いてみれば、返ってきたのはそんな身も蓋もないような一言だった。




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