【ウマ娘】小さなトレーナーと白い奇跡【みどりのマキバオー 】
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42: ◆Nsqe9nXw7g
2021/08/08(日) 00:07:57.94 ID:OS/CCdyu0
 突如、足の痛みを帳消しにしても余りあるほどの凄まじい痛みがマックイーンの頭天から足の先まで全身へと一気に駆け巡る。その瞬間マックイーンの思考は停止し、まるで痛みから逃げるように無我夢中で走った。無意識にかけていた自制のリミッターが、ネズミの噛みつきにより外されたのだ。

 普段のマックイーンからは想像もつかないほどの素っ頓狂な絶叫と共に見せた渾身のラストスパート。ダイワスカーレットとウオッカが驚愕したのは、何よりもその速さ。

 これが繋靭帯炎を発症した者の走りだと誰が信じるだろうか。そのキレ、力強さはまさしく在りし日のマックイーンそのもの。否、或いはそれ以上。あまりにも衝撃的な展開にやや混乱気味ではあるが、ただ一つ言える確かなことは徹底的にマークしていたはずのマックイーンが自分たちの包囲網を突破して遥か先へ独走しているという事実だった。

「な、何よあれ……。本当に怪我してるの?」

「つーか、前より速くなってるんじゃねーか?」

 喜ぶべきか悔しがるべきか。複雑な心境を抱えるダイワスカーレットとウオッカは勝者であるマックイーンの元へと駆け寄ろうとしたが、肝心のマックイーンは頭を摩りながら「どうかお構い無く! ホントに!」とだけ言い放ち、旧校舎のトイレに向かって一目散に走り去ってしまった。


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