【ウマ娘】トレーナー「なんかループしてね?」スペ「2スレ目です!」【安価】
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◆FaqptSLluw
[sage saga]
2021/08/23(月) 21:14:06.95 ID:9tDKi9xF0
(……内を回ったほうがいいかな。出遅れてはいないけど……前の人たちの速さだと前に立てない)
自身より体躯の大きなウマ娘が前を走るのを見て、マヤノトップガンは早々にそう判断した。
風を受けることによる抵抗を減らし、スパート時に前に躍り出る――それが今回のような展開では最善手。
マヤノトップガン自体の体躯は小さいが、脚の回転率と風を切る際の姿勢制御は完璧だ。でなければ、天皇賞・春を勝ち抜けてはいない。
何よりマヤノトップガンには――先見の明があった。
今日は少し風が強い。このまま先頭を進んでスタミナを浪費するよりも、抜け出すまでは集団に隠れて抵抗を少なくした方が後半の展開を有利に進められる。
難点は、集団から抜け出すときにかなりの技術が必要になることだろうか。マヤノトップガンは思案する。
レースは特に目立った展開を見せることなく、中盤――1200m付近へ差し掛かる。
「……!」
ここで、ナリタブライアンはスピードを増した。
完全に想定外。加速は最終コーナー付近から行うものだと考えていたが――。
マヤノトップガンは予定を直ぐに切り替える。
だが。
(抜け出せない……?!)
周囲のウマ娘も、ナリタブライアンの想定外の加速に戸惑い、彼女に導かれるようにして加速していた。
結果、マヤノトップガンの周辺は閉じる。――さながら、マヤノトップガンは籠に囚われた鳥のように身動きが取れなかった。
内ラチを回っていたがために、内から抜け出すことは出来ない。外に出ようにも、既に蓋がされている。
四面楚歌。そうなって初めて、マヤノトップガンは自らの失策を恥じた。
どれだけ風向きが強くても、前に出るべきだったのだ。
悔やんでも――もう遅い。
マヤノトップガンの脚質は、確かにある程度の差しを可能とする万能のものだ。
だが、その脚質は――どの作戦よりも、序盤にリードをつける……逃げの作戦用に調整されたものに、追いつくことはない。
そして、周囲のウマ娘は歴戦。捕らわれた鳥を、籠から逃がす真似はしない。
千里を一秒で駆ける俊足を持っていても、岩の壁があれば立ち止まることしかできないように。
(ここで抜け出さなきゃいけないのに……!)
意思とは裏腹に、脚が――動かなかった。
結果は見え透いていた。火を見るよりも明らかだった。
比翼は今折られ、地に落ちるだけ。慣性に従って、地に吸い込まれるように……マヤノトップガンは、掲示板から転げ落ちたのだった。
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