【ウマ娘】トレーナー「なんかループしてね?」スペ「2スレ目です!」【安価】
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239: ◆FaqptSLluw[sage saga]
2021/08/04(水) 22:19:02.46 ID:0QYB9Qax0
「だれだ? ターボ、オマエのことなんて知らないぞ!」


 ツインターボは目を見開きながら、後ずさりする。

 名前が呼ばれただけなのに大げさな、などと思いつつも、確かに見ず知らずの人間に唐突に名前を呼ばれれば当然か、とも思う。

 さて、どうしたものか。適当に話題を振って、それをきっかけにしてこの場から離脱するのが一番簡単だろうか。

 ……今の状態で過去の担当ウマ娘と話すのは、俺の精神衛生上、あまりよくない。

 そもそも、過去の俺を肯定してくれたのはマヤノであって、俺自身が肯定したわけではない。正直なところを言えば、俺自身はまだ過去に対しての妄執に憑かれているフシがある。

 で、あるならば。

 ……俺が口を開こうとしたその瞬間、俺の顔をまじまじと眺めていたターボがふと声を上げた。


「オマエ、あのレースで勝ったウマ娘のトレーナー?!」
「あのレース……って、天皇賞のことか?」
「そうそれ!」


 びしり、と。俺のことを指さすツインターボ。

 行儀がなっていないが、今は置いておこう。


「それがどうかしたのか?」
「あの時、最後のまっすぐ……。――あの走り方、ターボのマネだ!」
「……」
「どうして? いつターボが走り方教えた? 教えてないはずだけどなぁ……」


 どうしてか、と言われても。

 ただ、やはりと言うべきかツインターボの育成が終了した時、俺の手には石のようなものが落ちてきて。マヤノとの初練習の時に光を出して砕けていた。

 それがマヤノの中の何かを変えた。本来備わっていないはずの、ツインターボの逃げの技術が、不意に現れたのが何よりの証拠だ。

 それは多分、ツインターボだってそうだ。ツインターボも、スペシャルウィークの時に出た石が砕けていたはずだ。

 ……それは明確な違和感だろう。下手をすると練習どころか会話も交わしたことがない相手が、自身の走法を完璧にトレースしている光景は。


「勘違いじゃないか」


 苦し紛れの言い訳だ。そう答えるほかにない。

 真実を打ち明けるのは、マヤノトップガンだけでいい。

 これ以上俺の運命に、誰かを巻き込むわけにはいかないから。


「――違う。ちがうちがうちがうーっ! ぜーったいウソついてる! ターボわかるもん!」
「……本当のことだよ」
「だって、あの走り方は……。ターボがずーっと試してたけど、けっきょくダメだったのだもん……」
「え?」

 その一言に、俺は思わず声を漏らしてしまった。


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