【ウマ娘】エアグルーヴ「たわけがッ! 今日が何の日か知らんとは……」
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68: ◆FaqptSLluw[saga]
2021/10/14(木) 02:14:43.08 ID:4UoSw/jV0


「それでは、作戦は今を以て決行とする!」
「……ふむ、質問だが良いか?」
「なに?」


 トウカイテイオーは思わず振り向いた。ノリにノリまくったテンションは下がることなく、その声の正体についても彼女の思案から除外した。

 そして、それが視界に入る。


「貴様らの行おうとしていることは、夏合宿のルールに反しているが――その自覚はあるんだな」
「え、え――エアグルーヴ! な、なんで……!」
「たわけ! 会長を慕う生徒会メンバーが甘味ごときでつられるか! テイオー、貴様に流されたシフト表は偽のものだ!」


 な、なんだってー!

 トウカイテイオーはうなだれる。


「まったく……! そこの二人も、何か弁明はあるか?」
「え、えーと、その……アタシは別にトレーナーさんとずっとお話してたいなとか、そんなことは思ってなくて――」
「でもネイチャちゃんもノリノリだったよね?」
「マヤノ!」


 毒を食らわば皿まで。沈む船から逃げ出そうとするナイスネイチャの足を引っ張るように言葉をかぶせたマヤノトップガンは、もう覚悟を決めた顔をしていた。


「第一この無線機は免許が必要になる類のものだぞ……!」
「あ、ボクのトレーナーには前もって免許を取らせたけど?」
「………貴様は取ることが出来る年齢か、答えろトウカイテイオー」
「そ、それは……」


 正解は「できる」。

 だが、トウカイテイオー自身にその資格を入手するために勉強する余裕などなく、そもそも試験の予約さえしていない。

 つまりは無免許である。


「これは生徒会で預からせてもらう!」
「そ、そんなー……」
「第一昼間にもトレーナーとは話しているだろう……。どうしてこんな夜中まで話していたいと思うんだ……」
「だって、寝てる時も起きる時も一緒にいたいじゃん」


 呆れかえって、トウカイテイオーをじっとりと見つめるエアグルーヴ。その視線は絶対零度のそれだった。


「とにかく、早く自室に帰って寝ろ。次に巡回するとき起きていたら……わかるな?」
「ちぇ、エアグルーヴのケチ!」
「何か言ったか?」


 何も言ってませーん、とトウカイテイオーがダッシュで逃げると、マヤノトップガンとナイスネイチャも蜘蛛の子を散らすように退散した。

 一人空き部屋に残ったエアグルーヴは重いため息を吐きながら、ふと三人が残したメモに目をやる。


「……寝落ちもしもし?」


 エアグルーヴがその意味を知り、たわけるのは、また別の話――。


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