【ウマ娘】エアグルーヴ「たわけがッ! 今日が何の日か知らんとは……」
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46: ◆FaqptSLluw[sage saga]
2021/08/07(土) 14:17:13.45 ID:LizPTLal0

「おまえさんのことをようけテレビで見とるわい」
「わぁ、おじいさん私のこと見てくれてるの?! ありがとー!」
「ああ。孫もおまえさんのことが好きでなぁ……。一緒にいつも応援しとるわい」


 ほほ、と笑いを漏らすおじいさんから、かき氷が差し出される。

 ……先ほど見たかき氷よりも、そこそこ多く盛られている気がした。


「おじいさん、これちょっと多いよ〜?」
「はは、応援の気持ちじゃ。ああ、シロップと練乳はかけ放題じゃからの、好きなだけかけていくといい」
「え?! やった〜!」


 ウララはぴょんぴょんはねて、イチゴシロップをこれでもかとかけまわす。

 練乳もかなり多めだ。……カロリーが気になる。

 おじいさんは、そんなウララの様子を見て満足げにほほ笑んでいた。


「あの、ありがとうございます」
「いいんじゃよ。おまえさんはトレーナーかい?」
「ええ、まぁ」
「いつも応援しとるよ。頑張ってな」
「――はい。応援に応えられるように頑張りますね!」


 私の言葉におじいさんは再び頷くと、しゃりしゃりと小気味の良い音を立ててかき氷を作り出した。

 それを私の前に置くと、ほれ、と顎をやる。

 応援しているぞ、と。その瞳が何よりも雄弁に語っているから、私はありがたくそのかき氷を受け取って、ブルーハワイをかけた。


「ね、トレーナー! 見てみて〜!」
「……舌がまっかっかだ」
「それにね〜。えいっ! トレーナーのかき氷を食べるとね……紫色になるんだよ!」


 べー、と。小さな舌を突き出すウララの様子に、私も、おじいさんも笑みを漏らす。

 レースの時も、そうでないときも。ウララはいつだってこうだから。

 だから、みんなに好かれるウマ娘になるんだろうなって思った。


「ウララ、そろそろ帰るよ」
「はーい」


 かき氷を食べ終わった私たちは、再び手を繋ぎ、帰路につくことになる。

 カップを握ってひんやりと冷たい手のひらは、繋げばたちどころに暖かくなる。

 それはまるで、ウララみたいだな、って思えた。

 いつも太陽みたいに、私たちを照らしてくれる――あの笑顔みたいだな、って。


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