【ウマ娘】エアグルーヴ「たわけがッ! 今日が何の日か知らんとは……」
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44: ◆FaqptSLluw[sage saga]
2021/08/07(土) 14:15:07.81 ID:LizPTLal0
「トレ〜ナ〜」
「……いつにもまして声がふやふやじゃん、ウララ。どしたん?」
「あついよ〜」


 なるほど、と私は頷く。

 確かに今日の気温はかなり高めで、正しく盛夏。

 トレーニングも軽めのものを用意していたはずだけど、さすがに厳しかったらしくハルウララは根を上げてしまっていた。

 さすがに30度後半を超える気温の中、これ以上トレーニングを継続するわけにはいかないし……。


「そーだ! トレーナー、アイスたべよ?」
「うーん。ま、これ以上のトレーニングは却って体に毒だろうし、ここでおしまいにしよっか」
「やった〜! じゃあ着替えてくるね〜!」
「シャワーも浴びて…………え、着替え?」


 想像もしていなかった一言に、私は思わず呟いてしまった。





 さて、ハルウララというウマ娘について軽く触れておこう。

 天真爛漫――と言えば華があるように聞こえるけど、実際のところウララは正しく子供だ。

 好奇心旺盛で、それでいて行動に対する躊躇があまりない。

 ……少し悪い言い方になってしまうけど、思慮分別が出来てない。

 まぁ、そこがいい所でもあるんだけど……こういうときはそんな行動力の塊みたいな性質にやきもきしてしまう。


「お待たせ、トレーナー!」
「いきなりどこに行ったかと思えば――自室に帰ってた?」
「うん! だって、今から学園の外にアイス食べに行くんでしょ?」
「そんなこと一言も――いや、そだね。外に食べに行くか!」


 否定しようとすると、ウララの笑顔が曇ってしまう気がして。

 駄目だ駄目だと話を切り替えて、ついウララを甘やかす方向に向かってしまう。

 同期にも甘やかしすぎだーとかなんとか言われてるから気を付けなきゃいけないんだけど。


「トレーナー、て、つなご!」
「……あいあいさー」


 厳しくなんて、出来ないんだよなぁ……。

 これが愛嬌ってやつかな、なんて思ったりしなかったり。

 まぁ、ゆっくりと関係を進めていければ、いずれは甘やかす以外のことも出来るんじゃないかな。

 ――そんな楽観的な考え方を抱きながら、手を引かれて街へ出る。

 繋がれた手はぽかぽかの太陽みたいで、ちょっと暑かった。


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