【ウマ娘】エアグルーヴ「たわけがッ! 今日が何の日か知らんとは……」
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31: ◆FaqptSLluw[sage saga]
2021/07/27(火) 19:15:57.26 ID:h0ubBXHG0
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「トレーナーさんッ!!」
「応ッ、どうしたライアン?!」
「今日海の日ですよッ!」
「そうだったかッ?!」


 飛び散る珠の汗。

 響く大声。

 トレセン学園のトレーニングルームは、今日も相変わらずの形相を呈していた。

 もはや学園生徒にとっては風が吹いて葉っぱが揺れるくらい当然のこととして見られている光景が此処にはあった。

 ……ウマ娘の運動性能を以て行われる筋トレについていくトレーナーは明らかに異常なのだが、もう誰も触れない。初めのころには触れる者もいたのだが、回答が回答になっていないせいで置いてけぼりにされたのだ。

 というわけで。トレーニングルームの一角には二人だけの世界が広がっていた。

 ライアンはルームランナーのペースを徐々に落とし、トレーナーもそれに追随する。やがてクールダウンもかねて少し歩いていたライアンは、トレーナーへと話題を再度振った。


「ほら、Tokyoウマンピックが今日あるじゃないですか」
「む、そうだったなッ!」
「だからズレたんですけど……気にしてなかったんですか?」
「ウマンピックが楽しみでな……ッ!」


 ルームランナーから降り、あらかじめ作っておいたスポーツドリンクを飲むトレーナー。ライアンはそんな彼を呆れた顔で見つめていた。


「さすがに祝日くらい把握しておきましょうよ……。ってことは、これからトレーナー室に向かうつもりだったってことですか?」
「そうなるなッ!」
「だったら、一緒にウマンピック見ませんか? 筋肉の付け方とか参考になるかも……!」
「それはいい提案だな、ライアンッッ!」


 ライアンもまた汗を拭いて、軽く伸びをする。

 そんなライアンを見て、トレーナーは深く頷いた。


「……トレーナーさん?」
「うむ、いつ見ても見事な筋肉だ……。俺もウマ娘になれれば、ライアンのようなしなやかだが強靭な――素晴らしい筋肉をつけることができたのかもしれん……ッ!」


 筋骨隆々のトレーナーを見て、次にトレーナーがウマ娘になった姿を想像するライアン。

 だが、ライアンの脳裏には、今のトレーナーに耳と尻尾が映えた姿しか想像することができなかった。

 それが筋トレの度にぱたぱたと揺れ、ぴこぴこと震える。それを想像して――堪え切れなかった。


「トレーナーさんが……、ウマ娘は……くっ……ちょっと無理ありますって……!」
「む、そうか……? 最近は科学技術が進歩していると聞くからな、ウマ娘になるくらいは造作もないんじゃなかろうか……ッ」
「ひ、駄目ですってばぁ……! 無理、もう無理です……! あは……あははははは!」
「何を笑っているッ! 俺は至極真面目だぞッ?!」
「それが余計に笑いを誘うんですよ……っ!」



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