【ウマ娘】エアグルーヴ「たわけがッ! 今日が何の日か知らんとは……」
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3: ◆FaqptSLluw[sage saga]
2021/07/16(金) 00:39:29.23 ID:YZ47s4oM0



「………さま」


 微睡の中、誰かが僕のことを呼ぶ声がした。

 滅茶苦茶重いまぶた。開くことがとても面倒くさいくらいに重い。

 でも、その声を聞いていると今すぐにでも開けなければ、と思ってしまう。


「………さま、だい……ぶか、おい………!」


 その上、頬になにかひんやりとしたものが触れている。

 目覚めろ、と。だんだんと現実のものへと戻っていく感覚。

 血が巡って、体が再起動する。指先を少し動かして――目を開いた。

 ……するとそこには、必死なエアグルーヴの顔がいっぱいに広がっていた。


「貴様……トレーナー、返事をしろ………」
「……」
「脈はある、まだ生きてはいる――。除細動器は……あちらかッ!」
「待ってエアグルーヴ! 僕生きてる! 生きてるよ!」


 ぴた。

 ………と止まることにはならず、10メートルほど制動距離を取って――こちらに振り向くエアグルーヴ。

 その表情は、本当に驚いているようで。にじみ出る汗が、完璧だったエアグルーヴのアイシャドウを崩していた。


「………無事なのか?」
「うん、ちょっと気を失っただけみたい」
「……よかった」
「何か言った?」
「言ってない、このたわけがっ!」


 明らかに怒っている言葉と裏腹に、エアグルーヴの表情は安堵しているようだった。

 もしかして、僕のことで心配させてしまったのだろうか。

 だとしたら、申し訳ないな。今後何をしても無理をしていないか心配させてしまうだろうし……。




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