【ウマ娘】エアグルーヴ「たわけがッ! 今日が何の日か知らんとは……」
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◆FaqptSLluw
[sage saga]
2021/07/27(火) 14:43:16.60 ID:h0ubBXHG0
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―――
「トレーナーちゃん、結婚しよ!」
「いきなりどうした?!」
ノックもなくトレーナー室に入ったマヤノが、俺に抱き着きながらそう言った。
距離感がバグるほどの接近に一瞬ドギマギしながら、俺はマヤノを引っぺがす。
不満げに頬を膨らませるマヤノだが、俺としてはまず説明してほしいことがある。
「……で、何でいきなり結婚なんて話をしてるんだ?」
「この前、ウエディングドレスの勝負服作ってもらったでしょー?」
「ちょっと前に開催されたビューティードリームカップの、だよな?」
聞き返せば、マヤノは頷いた。
ビューティードリームカップ。世界を股にかける天才デザイナービューティー安心沢が日本で開催した、真のビューティーを求めるオークション形式のレースだ。
紆余曲折ありマヤノもビューティードリームカップに参加することになった。結果、ビューティー安心沢の目に留まり、専用勝負服をデザインしてもらった経緯がある。――それはそれは美しい、純白でひらひらしていて……少し丈の短い、ウエディングドレスを。
マヤノ自身も大変に気に入っているらしく、定期的に、特に理由もないのに着てくることがある。
「マヤ、あれから少し考えたんだよ」
「……一応聞くが、何を?」
「プロポーズはしたじゃなーい? だけど、マヤ、気付いちゃったの……。――まだ、結婚式はしてないってことに……!」
頭を、抱えた。
勝負服を作成してもらうにあたって、勝負服への想いをポロポーズ形式で告白した、とは聞いている。
あの時はそれで十分だったはずなんだ。でも時間が経つにつれ……いや、勝負服を着るにつれて、憧れのようなものが累積していったのだろう。俺は良く解らないが、マヤノくらいの年齢だったら、結婚式に対して憧れを持つのは当然のことなのかもしれない。
だからと言って、ここで「はい」と頷くわけにはいかない。それは……事案だ。マヤノの父親にもしこのことが知られれば、トレーナー室を爆撃されかねない。
「あのな、マヤノ……」
「トレーナーちゃん、マヤと結婚するの……イヤ?」
「……」
困った。とても困った。
はいと答えたら終わりだし、いいえと答えてもマヤノがへそを曲げてしまう。どちらにしても事態の解決にはそれなりの時間が必要になるだろう。ケアもまた然り。
救いはないんですか。
「おいっすー、ナイスネイチャでーす」
ありました。
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