【ウマ娘】エアグルーヴ「たわけがッ! 今日が何の日か知らんとは……」
1- 20
20: ◆FaqptSLluw[saga]
2021/07/19(月) 20:08:06.26 ID:/dmU8I1q0
「む、むむむ……!」
「おや、何を悩んでいるのかね、助手君」
「ええ、実は――って、誰が助手ですの?!」


 おやおや、意識外から認めさせる作戦は失敗してしまったようだ。

 いつもは優等生のメジロマックイーン君に隙があるとすれば、こういう考え事をしているときだと思ったのだがね……。

 現実はそう甘くない、という事なのだろうね。


「……それはそうと、何を悩んでいるのかな? 君がそこまで悩むという事は、さしずめスイーツ関連かい?」
「えっ?! 何故それを……!」
「はぁ……。君は君が思っている以上にわかりやすいことを自覚したまえ……」
「わかりやすいってどういうことですの……?」
「いつもは迅速果断なのに、こと菓子類を目の前にしては壮麗なまでの雰囲気が台無しだ、と言いたいのだよ……」


 いつもは見惚れるくらいに美しいのに、菓子類がかかわると如何してこうも気の抜けた様子になるのだか。

 そんなところもメジロマックイーン君の魅力なのだろうけれど。

 まぁ、簡単にほかの人にこんな様子のメジロマックイーン君を見させるわけにはいかないし、情報の操作はさせてもらっているんだけれどね!

 理由? そんなものはない。ただ、そう。これはイメージ戦略のためだ。たった今考えた。

 ……ファンを増やすことを目標とするのであれば、むしろ魅力的な姿を発信するのがトレーナーの役目である気がするが――。いや、気にしないでおこう。


「で、悩みは何かね、助手君」
「もう助手君呼びは治らないんですのね……。観念しましたわ」
「そういう星の下に生まれたと納得してもらえると助かる」
「誰もそんな星の下に生まれていませんわ?! まったく、トレーナーさんったら……」
「まったくとはなんだまったくとは。まるで子供をあやす様な口ぶりだな、心外だぞ!」
「自覚ないんですの?」
「何の自覚だというのだね」
「え、だから……トレーナーさんが子供っぽいっていう自覚ですけれど……」


 どちらかというとメジロマックイーン君の方が子供っぽいと思うのだが……これでは堂々巡りだ。

 しぶしぶ折れてやる、と目で語れば、メジロマックイーン君は頬を膨らませながら抗議の視線を送ってきた。

 どう、どう。


「なんだか腑に落ちませんわ……」
「まぁそれはいいんだよ、助手君。悩みは何かね?」
「実は……この前お菓子の会社からCM出演の依頼が来たではありませんか」
「ああ、知育菓子のCMだね。いやはや、随分と似合っていたよ――」
「誰が似合っていたですか、誰が! ……話を戻しますわね」
「ああ」
「イラッとしますわね、その相槌……。CM出演のお礼に、知育菓子をそこそこの数頂いたのですが、その処理を考えていまして……」


 ああ、この前トレーナー室に積み重ねられていた段ボールは知育菓子の山だったのか。

 謎が一つ解けて少しホッとした――のだが。


「処理に困るものか? 食べればいいのではないかい?」
「……貴方がそれを言うんですの?! レース前ですのよ?」
「あぁ、そうだった……。軽率だったとは思わないけれど、一応謝っておこう」
「謝罪する気なんて毛頭ないんですのね?!」
「あるよ、だから謝っているんじゃないか」
「心から謝ろうとする人間は一応謝ろうなんて物言いしませんわ……」


 はぁ、とため息を吐くメジロマックイーン君。

 疲れているのかい? 休みを取ったほうがいいのではないのかい? と聞いたら「誰のせいでッ……!」と怒られてしまった。何故だろう……?



<<前のレス[*]次のレス[#]>>
70Res/89.02 KB
↑[8] 前[4] 次[6] 書[5] 板[3] 1-[1] l20




VIPサービス増築中!
携帯うpろだ|隙間うpろだ
Powered By VIPservice