8: ◆ivbWs9E0to[saga]
2021/07/15(木) 20:52:39.73 ID:z2yJUgP30
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「さくらちゃーん」
「げっ」
教室にホンワカとした良く通る声が響いた。
特徴的なその声は、耳に入った瞬間に誰が発したものか把握できる。
全員の関心がドアに向いている。友達とお喋りを続けている女の子も、黒板消しで遊んでいるバカな男子も、みんなそれまでの行為を続けながら、その耳は木下ひなたに向けられている。
「さくらちゃん、あのね」
「アンタ、目立つんだからせめてコッソリ入ってきなさいよ」
あまり聞き耳を立てずとも周りから「アイドルの」とか「可愛い」とか、コソコソ話が聞こえてくる。クラスの雰囲気が浮足立っているのを感じる。私はこの雰囲気に巻き込まれるのがどうにも苦手だった。
当の本人はそんな様子なんて全く気にしないようで、真っ直ぐに私に向かってきた。
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