【シャニマス】芹沢あさひ(17)「わたしも、変われてるっすか?」
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54:名無しNIPPER
2021/07/26(月) 17:34:59.15 ID:hYzIfmgQ0
 冬優子ちゃんは空のグラスを傾けると、お店の人に同じものを注文していた。
 わたしのは普通のコップで来たからまだまだ残ってるけど、冬優子ちゃんのは猫の水飲みのような量しかきてない。あれいくらするんだろう。やっぱり3000円とかするのかな。

 静かな時間が流れる。少しソワソワしながらちびちびとスプモーニを飲んでいると、他のお客さんがやってきた。男女2人。
 冬優子ちゃんの方を見て指示を仰いだら、特に帽子を被るようには言ってこなくて、冬優子ちゃんもマスクは外したままだった。普段から来てるみたいだし、そういう場所なのかもしれない。
 横目で眺めると、女の人は機嫌が悪そうで、男の人は甲斐甲斐しく上着を預かったり注文を決めてあげたりしていた。なんとなくだけど、わたしたちと同じような仕事をしている人たちに見える。
 そういえば、果穂ちゃんは今日浴衣で撮影があるって言ってたな。

 人を眺めるのは好きだけど、こういう場所だとあんまり良くないと思って、すぐに目線を冬優子ちゃんに戻した。
 細い喉が波打って、青いお酒が吸い込まれていく。可愛いというより綺麗だ。

 ピアノの曲が流れている。生演奏ではないけど、スピーカーから流れてくる音は不快ではなかった。グラスに水滴が浮かぶ。指でぬぐうと、まとまった大きな水滴は、コルクのコースターに吸い込まれていった。重力。

「カルーアミルクを」

 冬優子ちゃんはまたグラスを空にした。ちょっと早い気がするけど、大人はそういうものなのかもしれない。

「聞いたことあるやつっす」
「居酒屋とかにもあるしね」


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