キョン「なんのつもりだ?」ハルヒ「……行かないで」
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3:名無しNIPPER[sage saga]
2021/07/07(水) 22:41:11.50 ID:rcCzl30NO
「名案を思いついたんだけど」
「なんだ?」

ひとしきりくつくつ笑っていた佐々木は何やら閃いたらしく、机の引き出しから下敷きを取り出してそれを掲げて得意げに提案した。

「下敷きでお互いに煽ぎ合うのはどうかな」

佐々木は恐らく冗談のつもりだったのだろうが、しかしながらその時の俺は中坊であり頭の悪いガキだったので、その提案に乗った。

「どうだ、佐々木」
「まるでどこかの王侯貴族になった気分だ」

早速俺も下敷きを取り出してパタパタ扇いでやると佐々木は心地良さそうに瞳を閉じて極楽を満喫していた。しばらくしてそろそろ手が疲れてきたので代わって貰おうかと思った矢先、俺は気づいた。気づいて、しまった。

なんか、すげー良い匂いがする、と。

「そろそろ代わろうか?」
「いや、いい」
「でも疲れてきただろう?」
「おかまいなく」

こちらを気遣う佐々木の申し出を頑なに断って煽ぎ続ける俺はさぞ不審だっただろう。
それもその筈、俺は初めて嗅ぐ女子中学生の香りに夢中になっていた不審者であった。


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