結標「私は結標淡希。記憶喪失です」
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834: ◆ZS3MUpa49nlt[saga]
2022/01/22(土) 18:57:10.99 ID:7SptLiMdo

 
一方通行「何言ってンだこのクソアマはァ!? ンなわけねェだろォが!」

結標「ひっ、い、いや、だって言った瞬間、目逸らしてたし」

一方通行「逸らしてねェよ!」

結標「そ、そんなムキになってるところからして、よっぽど恥ずかしかったのね!」

一方通行「もォ一回顔面ブン殴って記憶飛ばしてやろォか?」


 ギリリと一方通行は左拳を握り締める。
 結標が身体をビクつかせた。


結標「あ、あはは、ごめんなさい。冗談よ冗談。というかその脅し文句は、割とトラウマダメージ大きいからやめて欲しいんだけど……」

一方通行「あ、ああ、悪りィ。ちと無神経過ぎたか」


 一方通行は戸惑いながら謝罪した。
 その様子を見て結標は少し口角を上げ、視線をエレベーターの隅っこへ向ける。
 
 
結標「(ふふふっ、こうすればコイツから主導権を握ることができるわけね。良いことに気が付いたわ……!)」

一方通行「……聞こえてンぞオイ」


 結標本人は心の中で呟いたつもりだったらしいが、どうやら声に出ていたらしい。
 だから一方通行の白い額に青筋が浮かび上がっている。
 あはは、と結標は誤魔化すように愛想笑いした。
 
 キンコーン。エレベーターが一三階に辿り着いた音を鳴らした。
 

結標「あっ、どうやら着いたみたいよ?」

一方通行「うっとォしいヤツ」
 

 決まりが悪そうに結標はドアの前へと一歩動いた。
 ドアが開かれる。 
 

結標「ふふっ、まあでも、そうね。これからどうなるかなんて私にもわからないけど――」

 
 駆け出すように結標は外へと一歩踏み出した。
 そして、体ごと振り向きながら、柔らかな笑顔を見せながら、



結標「こちらこそ、よろしくね?」






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